羽生の高得点

今季のフィギュアスケートでは、羽生結弦の世界最高得点連続更新が、なんといっても現下話題の中心という感じだ。
この原動力になってるのは、やはりショートとフリーで5回の4回転ジャンプを安定的に成功させていることであり、その中でも特にサルコーを安定させられたのが大きいように思う。

これまでもサルコーの4回転を跳ぶ選手はいたが、あそこまで安定的に跳べている選手はいなかった。そして羽生選手の4回転サルコーの跳び方自体、昨年より進歩しているように見え、これが安定に大きく寄与している。
簡単に言うと、今までより跳び上がりの力が強くなっている印象。

サルコーはジャンプの難度としてはトゥループの次に易しいとされているが、たとえば村主章枝選手が難度の高いルッツを跳びながらサルコーは苦手としていたように、独特の体の動きを必要とするので、コツがつかめないとなかなかうまく跳べない。
参考書などでは、フリーレッグを振り上げてその勢いで跳ぶという感じのことが書いてあるが、実際の体の感覚としては、滑ってきた勢いを軸足で溜めて巻き込むことで、跳ぶ力と回転する力に変換するような感じで跳ぶ。

ところが、ここで問題になるのは、この跳び方だとおそらく3回転までしか跳べないだろうということだ。
スピードを回転力と跳躍力に振り分けてるので、どちらも十分にある状態ではない。4回転ジャンプとなると、どちらの力もフルに使わなければ跳べないだろうと思うので、こういう疑似的なジャンプでは4回転は跳べない。3回転と4回転では跳び方が全く違ってきて、しかも3回転を要領よく跳んでる選手ほど、その矯正が必要ということになる。そのことが、4回転サルコーを安定的に跳べる選手が少ないいちばん大きな理由だろうと思う。

サルコーはつま先で蹴って跳び上がることができないので、エッジで氷を押して跳び上がるが、そのタイミングを作るのが難しい。これはループも同様だ。
そこで回転で体をねじ上げる力をうまく使ったのが3回転までの一般的な跳び方となる。しかし、4回転となるとやはりそういう跳び方ではなく氷をきちんと押せないといけない。それが絶妙のタイミングでできるようになったことが、今季の羽生選手の成功の大きな要因であり、そのコツを世界で最初につかんだ選手なのかもしれない。

そういう意味で、ジャンプの跳び方に新時代を拓いた観もあり、今後のより高難度のジャンプの4回転化の幕が開いたのが、今季ということになる可能性があると思う。


Author: talo

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