落ち着いた街トリノに後ろ髪をひかれながら別れを告げて、雑踏と混乱の街ミラノへ移動。
しかし移動自体は心躍る、特急「フレッチャロッサ」に初乗車。いわゆるユーロスター。ホームに行くところで、すでに検札があるので、ちょっと飛び込んできてスーツケースを奪って逃げ去っていくという、まさかそんな的な泥棒にも遭わなさそう。それでも、イタリアなので何があるかわからないと思い、なんとなく気持ち的に安心な、荷物置き場のそばの席をとってあった。
到着すると、ホームを車が走ってきて、飲食物の補充。フレッチャロッサの場合、いちばん安い席以外は、飛行機のように飲食物のサービスがあり、さらに食堂車もあるらしい。
しかしミラノまで1時間ちょっと。さすがにこの間は何もないのかと期待せずに座ってたら、2/3くらい進んだところで、ドリンクとスナックのカートがやってきた。そんなにいい席ではないのだが、水とスナックは標準でもらえて、さらにソフトドリンクも頼めばくれるらしい。
水を飲むほどの間もなく、ミラノ中央駅着。
ミラノ中央駅は、スリ・置き引き・かっぱらいの3点セットのメッカだという噂だったので、写真を撮りたいんだけど、あんまりキョロキョロ撮り歩かず、荷物から手を離さないようにして、地下鉄に移動。犯罪に関しては、ミラノ万博以降、ずいぶんましになったということらしいけど、実は帰りにまた中央駅に来たところで、どうもドラッグをやってるらしき人が暴れてるのを見たので、やはり油断はならじ。
地下鉄の切符を買おうとすると、何か言って来たりして小銭を盗られることがあるとかいう話もあったので、売店で購入。この、電車の切符が売店で買えるのはなんだか不思議なんだけど、みんな買うので、行列になってるくらい。
地下鉄4駅ほどで、ミラノの中心ドゥオモ駅に着く。観光の便利を考えて、ホテルはこの近くにしたので、地上に出てしまえば歩いてすぐ。
と思いながら、ドゥオモに近いらしい階段のほうに行くと、登りきる前からドゥオモがバーンと目に入ってくる。しょっちゅう写真で見るあれがこれかー、とやや感動。
そのドゥオモを横目に、ホテルへ移動。
まだ昼頃だったので、部屋は支度できておらず、荷物を預けてそのまま観光へ。ホテルの人はやたら愛想がいいので、逆に気持ち悪いというか、わざとらしい感じもする。日本の接客も、外国人の人が見たらこんな感じなのかも。
まずは、お土産に買いたいと思ってるものがあったのと、デザイン雑貨など扱ってるフロアがあるということで、すぐそばのデパートRinascenteへ。さすがに観光の中心のデパートだけあって、大変な人だった。
そこから、サンタ・マリア・プレッソ・サン・サティロ教会というところへ。祭壇のところが、本物みたいな絵だということで「だまし絵の教会」と呼ばれてるらしい。
ビジネス街と言っていいようなところにあるので、ビルの谷間に埋もれるようになっている。中に入れば静か。けっこう広さがあって、確かに離れてみると、かなり奥行きがあるように見えるので、だまし絵は成功しているが、似たような効果はイタリアの建物ではけっこう使われているので、すごい!というほどではないか。
出てからまたけっこう歩いて、サンマウリツィオ教会へ。ここは、中に絵がいっぱいですごいということだったので行ってみた。
トリノの広く整備された道を歩いてきたあとなので、ミラノの細く曲がりくねった道を車が走り回るところを縫うように歩いて行くのは、なかなか大変。天気も良く、トリノに比べると気温が高いので、なんとなくホコリっぽいし。
サンマウリツィオ教会自体は、聖書のいろんな場面が絵になっていて、見ごたえもあったし面白かった。有名な「最後の晩餐」ではないけど、ここはここでオリジナルの「最後の晩餐」がある。
その「最後の晩餐」だが、ミラノに行くことにした当初は、見る気満々で、その予約の取れた時間を基準に、他の予定を組み立てようとしていた。しかし、予約開始後、あっという間に売り切れてしまった上に、けっこうな数を確保しているツアーのほうも、なんとなく都合のいい時間は取れず。7月8月なんかは、そこまでじゃなかったのに、どうして?と思ったら、ミラノ・ファッションウィークの直後で、ちょうど世界中から人が来ている時期だったらしい。
無理をすれば見れなくはなかったのだが、そこまでして見るほど、絶対見たいというわけでもなかったので、とりあえず「最後の晩餐」のあるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会の外観だけ見に行く。
最後の晩餐で荒稼ぎしてるだけあって、この教会の周囲だけ異様にきれい。教会本体も補修は万全で造りは古いのにレンガは真新しく、しかもまだ何か工事をしていたりして、お金持ってるなーという気配は感じられた。
この日はキャンセル待ちチケットもないようで、チケットオフィスへ行った人も、甲斐もなく追い払われていた。
ここから30分ほど歩いてホテルへ戻ると、だいたいチェックイン時間なので、ちょうど良かった。
このホテルは、デザイナーが全体のインテリアを決めているので、カジュアルながらおしゃれな感じに統一されていて、部屋も実用的かつかわいい。ドゥオモ周辺は狭いところも多いのだが、泊まったところは広めの部屋がとれたので、ゆっくりできたし。
簡単に荷ほどきをして、必要なものを出したり、休憩したりしてから、またこんどは有名な歌劇場スカラ座を見に行く。
今回はオペラを見る予定はないのだが、スカラ座は上演のない時間帯は入場見学できる。中はさすがあのスカラ座という豪華さではあるものの。ウィーンでオペラ座を見たので、規模はスカラ座のほうが大きいというくらいのこと。ただ、イタリアオペラの名作の多くがここで初演になっていたらしく、初演告知ポスターがずらっと並んでいるのは壮観。
そこから、またミラノの街並みを見ながらぶらぶら歩き、ブランドショップがずらりと並ぶサン・バビラのDieselへ入る。Dieselは日本ではそこそこのブランドというマーケティングをやっているが、ヨーロッパではカジュアルなだけあってわりと手の出しやすい価格帯のお店。毎回、ヨーロッパで買ったらあんなに安かったのにと思いながら日本で買うことになるので、今回は絶対何か買って帰ろうということで、入店した。
しかしやはり日本の代理店は、日本市場に合う商品を企画したり選んで入荷したりしてるので、本場のDieselはちょっと毛色が違ってて、なかなかこれぞというものもなく。それでもまあ、使い勝手の良さそうなジャンパーがあったので、それを買った。びっくりしたのは、Dieselのポイント会員はグローバルだったこと。
一度ホテルに戻って、晩ご飯はどうしようということになった。ミラノに来たからには、やっぱりミラノカツレツは食べるでしょうと思うのだが、どこで食べればいいのか。またしてもGoogleマップで調べたところ、PaperMoonという店がなかなかおいしいらしく、さっきのDieselに近いところなので、歩いて行けそうだった。幸い夜の開店2時間前くらいだったが、Web予約ができたので、予約して行った。
結論から言うと、とりあえず予約は必須らしい。そして、味はおいしかった。でも、接客が非常に感じが悪いので、行かないほうがいいと思う。
開店前からすでに行列だったのだが、予約してない人はことごとく追い払われていた。その追い払い方が、非常に感じ悪く、イヤな感じはしたのだが、実際着席して食べていても、木で鼻をくくったようなとはこういうことですよいう対応。あとでクチコミを確認すると、どうもアジア人は来てほしくないらしく、中国人や韓国人が非常に気分を害したようなクチコミを書いていた。
そして、食べ終わって出て行くときも、大勢の人が並んでいたのだが、相変わらずその人たちを鼻先であしらうような接客をしていた。年配の客にはわりと丁寧だったので、お金があってワインを気前よく開けてくれるような人がいいということだろう。