最近のニュースなどを見ている限りでは、中国政府もやっと、知的財産権の保護が経済上重要なことだと理解できかけてきてるように思われる。
それまでは、多くの開発途上国と同じように、知的財産権というものは先進国が先行者利得を確保しておくために作ったシステムなので、そんなものを自国内で保護する必要はなく、国際的な社交上、守ってるような顔をして、野放しにしておけばいいと思っていた節がある。
中国がコピー商品をどんどん作って利益を上げている間は、もちろんそれでもよかっただろう。
しかし、コピーは安いからこそオリジナルよりも売れていく。労働者の賃金が上昇してしまうと、安くコピーを作ることはできなくなり、コピーでは企業は成り立たないし、労働者は食べていけなくなる。
そうすると、当然オリジナル並みの製品、あるいは新たなオリジナル製品を供給しなければ、コピーで拡大できる経済には上限があるということが見えてくる。
ここ数年の中国は、そういう上限を、不動産や開発投資でなんとか繰り延べて、経済の拡大を維持してきたという状況で、去年あたりからはいよいよそれも難しくなってきてたという段階だろう。
中国国内で、オリジナルを作れるだけの企業が現れたとしても、それをコピーすることを許していては、高付加価値製品をリリースするたびに、コピーがどんどん流通し、結果として利益の出ない経済構造になってしまう。
高付加価値製品を守るには、知的財産権を保護しなければ、結局のところ自分で自分の首を絞める状況になってしまうのだなということに、こういう現実を見せられて、初めて気づいたわけだ。
ここから先は、これまでのどの先進国よりも多くの労働者を、何らかの先進性で現在の生活水準を維持させなければいけないという、中国が自分の力と発案でなんとかしなければならない、新たな段階に入っていく。
現状で、中国政府はそのための何かを見つけたようには見えない。
すでに、労働者の間では、発展の大きかった時期に稼いだ層と、十分な収入が得られない若年層という格差の兆しも見えてきている。経済が崩壊する前に、中国政府は何か対策を見つけられるのだろうか。