東芝に見る企業再建

東芝がこのまま存続できるかどうかの瀬戸際に立っている。
現実的には、すでに主力銀行が一昨年の危機が明らかになった段階から、かなり突っ込んで貸してしまってるので、今さらやっぱりだめでしたで終わるのはなかなか難しいだろうと思うし、何らかの再建策なり再編成なりが行われるだろうと思っている。

しかし、結果的に東芝の粉飾決算が明らかになってから、もう一年半。こんなに長引く話になるとはというか、何でわざわざ話をややこしくするんだという、ちょっと納得いかない感は大きい。
結局のところ、経営危機を活かすことができるかどうかというのは、企業の大きなターニングポイントになるという、なんだか教科書的な結論になってしまうしかないのだが。

たとえば、日産や日立は、一時期大きな危機に見舞われたものの、そのときに隠れた負の資産も含めて一気に償却してしまったので、今は経営的にはかなり基盤のしっかりした体制になり、どんどん新しい方向へ打って出ることができるようになっている。
一方で、そこまでやるだけの勇気も能力もなかった、三洋やシャープは買収され、三洋にいたっては一部アジアでブランドは残ってるらしいが、企業としては完全に解体されてしまった。小手先の改革で、外見的に出血してるところを止めても、次々と同じようなことが発生するので、根本的になんとかしないといけないというのは、これらの例から明らかだ。

この両者の中間にあるのがソニーで、小手先の改革で何とか乗り切ろうとしてもうまくいかなかったものの、コンテンツ事業と金融事業という、確実に日銭の入ってくる傍流事業を抱えていたため、なんとか延命してるうちに立て直しができてきたという例があるにはある。
しかし、これはソニーという特殊な企業だったからこそ可能であったことで、あまり参考にしないほうがいいのだろう。

そう考えると、東芝は一年半前の、まだ体力のあった時点で、負の遺産まで含めて、全資産の洗い替えをしてしまっていればよかった。ところが実際に行われたことは、いかに最小限の修正で先へ進むかで、あろうことが原発事業の含み損についてアメリカ側の監査法人から指摘があった2兆円以上の負債をいかに隠すかということへの努力だった。
どこかで早晩それは何とかしないといけない以上、ここ1年くらいは倒産したまま継続してきていたようなものだったということになる。

思えば、東日本大震災後、重電各社が原発事業の先行きについて慎重になってるところで、わざわざもう事業体としてろくに機能していないアメリカのウェスティングハウスを買収したところで、運命は決してたように思う。当時の社長は原子力出身で傍流と言われて蔑まれていたので、これを主流事業にしたかったのだろう。しかし、ウェスティングハウスは過去の遺産があるので潰すに潰せずに政策的に存続してた上に、それをいいことに様々なクズ利権が絡まったような状態だった。それを、粉飾決算までして、企業体力もない東芝が買収したんだから、先は共倒れしかない。

こうなったら、プラス資産は全部切り離して売却し、原子力関係の負債を一括管理・処理するためだけの企業として東芝を存続させるというのはどうだろうか。


Author: talo

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