それまでの奇術とは一線を画する、「幻影」を行ってみせるアイゼンハイムは、今は皇太子の婚約者となった昔の恋人を取り戻すため、一世一代の幻影に挑む。
話は単純で、推理小説のアリバイトリックを、奇術でやったようなもの。
しかし、舞台やキャラクターの設定が、ストーリーによく合っていて、結末が分かっていても何回でも読める小説のように、一連の落とし話として、満足して見ることができる。登場人物についても、余計な背景説明はいっさい加えず、とにかく表面に出ている話だけで展開されていくので、「なんでこんな人なんだろう」といったことが気になるようなこともない。
ただ、単純すぎるので、もう少しエピソードなどを盛り込まないと、逆に間延びして感じることも確か。なんとなくわかっている話なので、飛ばし読みするような感じで話が進まないと苦しいように思う。
4.8点