事故により、ほぼ全身動かせなくなった編集者が、まぶたの開閉だけで本を執筆することをめぐる物語。この作業により執筆された、自伝に基づいている。
話の展開は、進んだり戻ったりなのだが、わかりにくくはない。
障がいを持って、絶望的な努力で言葉を伝えながら、伝えられる精神世界は、元気だった頃と変わらず軽妙なものであるところが、生きることの希望を強く印象付ける。
ただ映画そのものは、話よりも映像の作り方のほうが目を引く。ちょっと現実感がある感じのカットが、ノンフィクションっぽい雰囲気を出しながら、幻想的な映像を効果的に配している。
展開全体は、やや通俗的で、きれいな感動に徹して希望を描いた分、周辺も含めた感情の所在(特に、妻と愛人の関係など)を十分に言い尽くせなかった部分があり、残念。自伝小説の映画化なので、当然なのかもしれないが。
4.8点