『裏切りのサーカス』

「サーカス」の俗称を持つ英国諜報部。その首脳部にいるソビエトとの二重スパイを突きとめるため、一度は失敗し失脚した男が、再度調査に乗り出す。

原作を読んだことはないが、推理物ファンには非常に有名な作品なので、何となくは知っていた。しかし、推理サスペンスは、話の展開がどうしても理詰めになるので、映画化になじみにくい。果たして、この映画はきちんと成立してるのだろうかと、見る前は不安だった。

しかし、結果的にみごとに成功していた。
細かな推理の過程や、証拠などを、あまり細かく描かず、主要人物の人間関係を中心とした過去の話と、その緊張した雰囲気の再現に注力することで、核となっている謎とその重さや難しさを浮かび上がらせることができている。

面白いのは、話全体は結局、主人公が沈思黙考している状況の中で展開しているのに、映像はきちんと人物が動きもし、会話もし、アクションシーンまであるところ。実際の動きで、頭の中を映像化しているとでも言うか、一歩間違うと、延々意味のない映像のつなぎあわせになってもおかしくない。
そういう意味でも、こんな話を映像で表現したスタッフ陣の表現力はすごいと思う。

これには、原作者も満足だろうし、ファンも、納得できるかどうかは別にして、映画化として認めることに問題ないだろう。


Author: talo

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