イタリア旅行2018-7(トリノ後半)

トリノ観光本番。
今回の旅行では、珍しく複数都市を転々とするので、一つ一つの滞在時間が短くて、一発勝負になりがち。
この日は、前の晩の下調べで早速、モーレ・アントネッリアーナの展望台に上るエレベーターが、何の因果か見事に閉鎖中の期間に当たってしまっていることを発見。まあこれは、たとえ2、3日滞在を延ばしていてもその期間の外にはならなかったのだが、短時間に詰め込み観光を予定してるので、一つ手順が狂うとあれこれ予定が変わって難しい。

とりあえず、王宮の複数の博物館と、エジプト博物館へ行くだけでも、ちょっとだけお得になることがわかった、ピエモンテ・カードを入手するために、ポルタ・ヌオーヴァ駅前のインフォメーションへ行く。
ここのインフォメーションの人も、トリノらしいちゃんとした対応のできる人で、イタリアでありがちな「時給もらってるので座ってるだけだから、あんまり面倒なことさせないで」的な雰囲気が全くない。何人か聞いて、ちゃんと日本語のガイドブックまでくれた。

まずはトリノ王宮へ。王宮の中は複数のテーマによる博物館になっていて、見どころいっぱいなのだが、やはり王宮そのものがいちばん見ごたえがある。イタリア王家自体が、比較的近年まで存続してた上に、大きな混乱もなく退位したので、最後の王宮でもなかったトリノ王宮はおそらくかなり状態のいいまま、トリノに引き継がれたのだろう。基本的には、ヨーロッパの王宮の様式に則ってるのだが、保存状態が良く、調度類も部屋の雰囲気に合ったものが飾られていたので、おそらく当時のままのものも多そう。
特に武器博物館に使われている部屋の天井装飾はすばらしく、それほど天井は高くないものの、見ごたえがあった。また舞踏室のバルコニーのような昔の映画にしか出てこないものが本当にあったりして、ベルサイユなどに比べると、実際に使われていた状況が非常によく想像できる。

その後、サヴォイア家領だったサルディニア島からの発掘物などもあったのだが、とにかく広くて展示も多いので、いちいち見ているときりがなく、いい加減で切り上げて、エジプト博物館へ移動。
このエジプト博物館も、大英博物館と並ぶ古代エジプトの展示内容を誇る、トリノの名所。いわゆる死者の書をはじめ、さまざまなミイラや、有名な王の柩など、古代エジプトについてあまり知らない人でも聞けば「あぁ」と思い当たるような、とてつもない貴重な品々がぎゅうぎゅうに展示されている。もちろん、そんな有名でもないものとなると、これでもかとある。
いちいちオーディオガイドを聞いてると進まないので、どんどん見て回るが、王墓だけでなく、司祭一家の墓からの出土品などもあり、当時の物がそのまま見られる素晴らしさが満喫できる博物館だった。

ここまで見たところで、さすがに疲れたので、カフェで一休み。Farmacia Del Cambioという、元は薬局だったらしいカフェだが、建物の間に、ぽんと開けた広場があって、そこにオープンカフェがあるという、トリノらしい場所。
ケーキとお茶を頼んで、雀がウロウロしてるのを見ながら、ぼんやり待ってたのだが、待てど暮らせど来ない。ほかの人の様子を見ると、同じようにけっこう待ってる人もいれば、すごいすぐ出てきてる人もいて、どういうことなのか、でも出てこないと文句を言ってる人はイギリス人っぽい白人なので人種差別とかではなさそうだし、と思っていたら、40分ほどしてやっと出てきた。
なぜかカフェ利用でも、ちょっとしたスナックが別で出てくる。これをかじると、ぽろぽろと細かい粉が落ちるので、スズメがたくさんいるらしかった。

その後また王宮付近まで戻り、王宮の裏にあるサン・ジョヴァンニ・ヴァティスタ大聖堂へ。ところがここが閉鎖中。隣の鐘楼は開いていたのだが、そのままパラティーナ門という古代ローマ時代の門を見物後、マウリツィアーナ大聖堂のドームが見えたのでそちらへ移動。ところが閉まっていたので、そのままコルプス・ドミニ教会へ移動。ここがまた内装がすごくて、やっぱり17世紀にかかってくるくらいになると、建築装飾技術もだいぶ上がってくるねぇという感じ。

あとはモーレ・アントネッリアーナの映画博物館を残すのみ。
ここは映画に至るまでの技術史みたいな部分が面白くて、いろいろ楽しめる仕組みも作ってあったので、行ってよかった。しかし、ピエモンテ・カードがあれば無料だというので入っていくと、それは途中までで、エレベーターは乗らないにしても、らせん状のところを登っていくのは、別途料金だったので、要注意。

この時点で5時半くらい。一日の予定は終了と思ったら、相方がやっぱりサン・ジョヴァンニ・ヴァティスタの鐘楼に登りたいとか言い出す。
大慌てで行ってみたが、営業は6時までだったが、入場は5時10分までか何かで、とにかく入れなくてガッカリ。
昨日と同じように、ローマ通りを歩いてホテルに帰った。
この日は平日だったので、ローマ通りはけっこう人でも多く活気があったが、それでも落ち着いていて治安面の不安もなく、歩いているだけで上品な街トリノの雰囲気が感じられるのは良かった。

ホテルに戻ってから、夕食のレストラン探し。
いいかげんピザの1枚でも食べましょうということで、またGoogleマップで探して、駅の反対側にあるPizzeria150という店へ。
この店のあたりは、お店なんかもちょっと荒れた感じで、歩いてる人の雰囲気もちょっと違って、いかにも地元感漂う気配。お店も、ほんとに地元の人が来るような、食堂的な感じで、そのへんの兄ちゃんみたいな人がやってる。
出てくるピザは、パンみたいな感じの生地でちょっと面白いのだが、具がどっさりでチーズもたっぷりで、見た目以上においしい!えーなにこれ、不思議だねー、おいしいねーと言って食べてたら、2枚でおなか一杯。
ほんとにちょっと小ぎれいな食堂くらいな感じなので、値段もそんなにしないし、お店の人もなんだか荒っぽい感じだけど、機会があればまた行きたい。
そんな感じで、満足した気分で就寝。


Author: talo

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