第48回衆議院議員選挙の結果

結果的に、先日の総選挙の結果は自民党・公明党の与党の大勝で終わった。
いろいろ原因はあるだろうが、やはり大きいのは希望の党の登場によって、有権者の投票行動上の課題が変わったことだろう。

自民党執行部の判断としては、当初は現有議席が大きいので、これより減らすことは前提として、どれだけ減る幅を小さく抑えるかということで、小池新党の体制が整う前の段階での解散に打って出た。
この時点では、自民党も小池新党も、お互いを敵と見なしていたことは確実だろう。

しかし、実際に小池新党が希望の党として立ち上がると、無理な候補者数の確保のために、民進党と合流し、また合流させなかった旧民進党系候補者には刺客候補を立てるのに、一部の自公候補者には対立候補を立てなかったり、自民党に協力的で民進党と競合する日本維新の会と連携するなどの行動をとった。
これは有権者には、希望の党は民進党系の政党としてしか映らず、自公政権あるいはそれに類似の政権を求める層の票は逃げ、野党系の票の食い合いを招いてしまうこととなった。

今になって考えてみると、どうして希望の党があそこまでして、過半数を確保できる候補者の擁立のこだわったのかが、よくわからない。
過半数を確保できなくても、自民党の議席を40~60名程度減らし、自分たちの候補者が80名程度当選すれば、第1党になれなくても、キャスティングボードを握ることは可能だったはずで、全国政党の第一歩としてはなかなかいい滑り出しになったはずだ。
過去の日本新党も、それで政権を握ることに成功している。
強引な候補者数確保が、結果的に民進党の看板のかけ替えになってしまったことは、小池代表の姿勢以上に、党勢を削いだことは、ほぼ間違いないだろう。民進党の候補者と組織には、民進党の票しか来ないのは当然だ。

ただ、結果として今回、立憲民主党という、あまりやましくない左派政党ができたことは、成果かもしれない。
これまで、リベラル保守から社会民主主義勢力までを幅広くまとめる政党がなく、共産党では左すぎ、民進党はそもそも党内で路線対立があって投票後に右派に転じる可能性もあったことから、左派的な政治指向を持つ有権者は、無党派層の大きな部分を占めてきていた。
それが、立憲民主党ができたことで、護憲などの左派的な主張を軸にした、それなりにまとまった数と経験を持つ議員集団というのができ、積極的な支持を獲得したことで、これまでの野党共闘では十分ではなかった、票の掘り起こし効果もあったと思われる。
それは、選挙後の政党支持率で見ても、無党派が大きく減らし、立憲民主党が野党第一党として各調査軒並み10%以上の支持を獲得していることでも、容易に証明され得るだろう。

今回の希望の党のドタバタ劇は、自民党に代わる政治勢力の結集という、おそらく今の日本で求められている政治課題の解消には失敗したが、新党の結成には筋の通った安定した政治指向があれば、それなりの力になるという経験も得たので、今後の政治動向の中でこれがどのように活かされるのか、あるいは活かすような後押しを有権者ができるのかが、新たなターゲットになってくるようにも思われた。


Author: talo

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