『バットマン・ビギンズ』から始まる、バットマン映画化第2シリーズの2作目。
バットマンを狙う目的だけのために、凶悪犯罪を繰り返すジョーカーに、バットマンは苦悩する。
過去のヒーロー物とは一線を画した史上最高傑作ということで、アメリカでは大ヒット、映画ファンからも空前の評価を得たということで、否が応にも期待は高まる。
確かにバットマンの治安を維持しようとすればするほど、自分を標的にしたテロが起こるという状況は、アメリカ人からしてみると、いまのアメリカを象徴するようで、心に迫るものはあると思う。またそれが、自分の味方であったはずの人を傷つけ、結局は救えないという苦悩は、まさしくいまアメリカ人が直面している苦悩でもあるだろう。
また、ジョーカー役のヒース・レジャーは前評判に違わず素晴らしく、確信的な狂気を見事に表現しきっていたと思う。
ところが、途中からなんだか「それは変なんじゃない?」とか「無理があるような…」という展開が増えてくるとともに、話自体の深みも頭打ちになり、最終的には平板な展開で終わっていってしまった。
バットマン自体の活躍が非常に少ない上に、ジョーカーの印象が強いので、ごく客観的に見ていると、特に何も伝わってくるものはない。苦悩するヒーローというのは別に新しいものではないし、最終的に何か解決されたようには思えないので、現状のアメリカと照らし合わせて見るという感覚がなければ、序盤のスピード感が素晴らしいだけに、がっかりで終わってしまうだろう。
そういう意味では、いかにもアメリカらしい自己満足映画。
5.1点