どうも、気分が悪いのは、夜寒いからではないだろうかということに想到する。
そもそも、冬でもそれほど寒くないので、部屋には暖房というものがなく、空調といえば冷房をするか、ファンを回すだけか、何もつけないかの選択肢しかない。何もつけなければ、だんだん室温が上がってくるのだが、せいぜい22度くらいで、それもターンダウンなどのときにまたスイッチを入れられてしまうので、だいたいいつも室温は20度くらいだ。
その状態で、薄い毛布しかないので、夜は厚着しないと寒いのは当たり前だ。もっと早くに気づいて、追加の毛布をもらえば良かったのだが、寝入るときにはそれほど寒いとも思わなかったので、こんなものなのかもしれないと思っていたのだ。
しかし、いいかげんこんなに体調悪いのはおかしいのではないかと思って、とりあえず昨夜は毛布を二枚重ねにして寝てみた。
すると、寝ている間も非常に気分良く、体調も完全復活ではないものの、ずいぶんましになった。
朝もすっきり目覚め、シャワーを浴びたりして、朝ごはんが来るのを待った。
朝ごはんは、10時に持ってきてもらうことにしていたのだが、昨夜はそれほど遅くなかったので、いつもはだいたい起きてこない相方も、10時には起きていた。
しかし、ここのルームサービスは、ずいぶん要領が悪く、頼んだものをばらばらと、トレーで持ってくる。普通は、ワゴンでごっそり持ってくるもので、さらにそのままワゴンがテーブルになるところも珍しくないのに、ここはトレーからテーブルにどかどか置いていく。しかも、全部一度に持って来れないので、結局10分くらいかかる。パンなど冷たかったのだが、持って来る間に冷めたのか、そもそも冷たいものを持ってきたのか…。
あげくにワッフルを頼んでいたのが来なかったので、電話で頼みなおすはめに。
ダル・アル・マシャフは、サービスの点では全体に水準は高いと思うが、こと朝食のルームサービスにおいては、全くダメだった。
朝ごはんを食べ終わったら、今日はバスタキヤに行くことにした。
バスタキヤというのは、ドバイ博物館の近くにある、古いアラビア風の町並みを再現したところで、アラブ圏に来たというのを実感するためにも、ぜひ訪れておいたほうがいいところだろう。
ホテルからはタクシーで行ったのだが、まずタクシーがいない。ベルの人が待っていろと言うので待っていたら、なかなか来ない。と思っていたら、青い服の背の高い人(アル・カスルのベルのシンボルみたいな人で、同じような人が2人か3人いて、ローテーションしている)が、ホテルのハイヤーを呼んでくれた。
しかし、リムジンではないものの、レクサスだし、乗ってみても見るからに高級そうで、これは普通のタクシーの何倍くらいかかるんだろうかと、ちょっとビクビクしながらメーターを見ていた。さらに、運転手の人が強烈なインドなまりの英語で、すべての音節にRの音が入っているかのようで、何を言ってるのか、全く分からない。もちろん、運転手の人のほうも、英語がネイティブの人にはたぶん通じているのだろうから、この人たちは英語が分からないのか困ったな、などと思っていたに違いない。
結果的には、料金はタクシーの1.5倍くらいで済んだので、もともとタクシー料金が安いせいもあって、乗ってた時間のわりには、大した額にはならなかった。しかし、バスタキヤのどこに行けばいいんだとか、ここで待ってたほうがいいのかとか、向こうにしたら必要な会話なのだろうが、こちらにしたらいちいち「何て言ってるんだろう」と顔を見合わせないといけないことを聞かれ、苦労した。
流しのタクシーの人でも、普通の英語に近いのを話せる人がいくらでもいるのに、どうしてホテルのハイヤーにあんな人を雇っているのかと思ってしまう。
バスタキヤは、あまり観光名所になっていないのか、静かな町並み。人がほとんどいないので、写真も撮りやすく、歩き回りやすい。もっとも、ほんとに小さいところなので、10分もウロウロしてると、全部見れてしまうのだが。
中には、レストランやホテルもあるし、地区の外は普通の市街地なので、アラビアっぽい雰囲気で泊まりたいときには、好適そう。
バスタキヤを出てから、市街地を通り抜けて、ブルジュマンセンターというモールへ行くことにした。
ドバイのいいところは、治安が非常にいいので、ちょっとした路地などを通るときでも、観光客でも全く心配がないところだ。
実際に、このときも、観光的なものなどあまりないような、裏道のほうを歩いてみたりしたが、日本の普通の街と(見た目が違うだけで)、気配としては全く変わりなく、ローマなどに比べると十分に気を許せそうだった。
この日は天気が良く、風は涼しいのだが、日の当たるところを歩いていると、暑いくらいだった。例によって街のあちこちで工事が行われていて、砂埃がすごい。途中通りがかったところはビジネス街だったようで、たまたまお昼ごろだったし、人も多くて、交差点がすごい混雑だった。信号は、日本と同じで、歩行者用信号もある。
バスタキヤからブルジュマンセンターまでは、途中ちょっと寄り道もしたのだが、歩いて30分もかからないくらい。知らないところの地図は、縮尺の実感がないので、途中で「ひょっとすると実はすごく遠いのでは」と思ったりしたのだが、大丈夫だった。
ただ、ドバイはとにかく建設中のビルや、整備中の道路が多いので、地図の内容が古いことはよくありそう。あまり厳密に目印などを確認しないで、だいたいの感じで地図を見るほうがいいだろう。
ブルジュマンセンターも、モール・オブ・エミレーツのような大きなモール。有名ブランドはこちらのほうが多く、スーパーマーケットも入っていないし、ビジネス街にあるので、こちらのほうがやや高級感があるようだ。
ところが、作ったのが古かったからか、車道に直接面していない上に、車寄せもなく、各方面とのシャトルバスもなさそう。タクシーを待つ人が長蛇の列になっていて、ベルが2~3人でタクシーの配車をやっていて、実際にはひっきりなしにタクシーが来るのだが、なんとなく不便そうな雰囲気がした。
中では、お店を色々見たのだが、ここでも価格は表示されていなかった。モール・オブ・エミレーツでも、価格を表示していたのは、デビアスの何百万円もするジュエリーくらいなもので、ドバイでは基本的にブランドショップでは価格を表示しないものらしい。わざわざ値段を確認してまで買いたいものがあるわけでもなく、お手洗いを借りたのと、スターバックスで(巨大な)フラペチーノを飲んだだけで、出てきた。
帰りは仕方なく、そのタクシーを待ったが、たぶん5分と待たなかったように思う。
帰り道は、いつも遠くから見ていた、ビルがいくつも新築されているところを通ったので、写真を撮ったりできて良かった。建設中の、世界一高いというビルもよく見えた。
今日は、よく眠れたせいか、いいかげん治ってきたせいか、体調も良かったので、晩ご飯は外に食べに行くことにした。ホテルのバトラーの人に予約してもらい、グロブナーハウスホテルのトルコ料理へ。
アル・カスルを出てからグロブナーハウスへ向かう道の途中は、ジュメイラビーチ沿いにザ・パームへ至る道なので、ほぼ全て工事中で、新しいホテルなども建てられている最中だった。折りしもウェスティンブランドの新しいホテルが、オープン寸前という気配で、それほど豪華ではないものの、リゾートっぽい雰囲気が良さそうだった。
グロブナーハウスのあたりは、ザ・パームの付け根に近いので、まさに開発の真っ最中。ホテルへは直進できず、けっこうぐるぐる回ってたどり着く。
ホテル自体は、普通のビジネスホテルのような雰囲気。ちょっと車寄せが狭い上に、入ってすぐにエスカレーターがあって、ロビーは半階上がったところにあるような感じになっている。車寄せ自体がちょっと盛り上がったところにあるので、位置的な設定がおかしいのかもしれない。
入ってすぐのところが狭いので、なんだこりゃという感じなのだが、ロビー階へ上がってしまうと、広々としていて、モダンな感じの内装の、なかなか雰囲気のあるホテルだった。
トルコ料理店は、ロビー階にあって、一番奥。入り口のところに、ちょっとした噴水があったりして、そこそこ豪華。店内も広く、席間にも余裕がある。
メニューは一般的なトルコ料理っぽい感じ、味もおいしかった。接客がずいぶん良かったが、これはホテル内でアンケート期間中だったからかもしれない(最後にアンケート用紙が出てきた)。しかしやはり、量が一皿ドカン系で、けっこう大変だった。体調がけっこう回復していたので、最後のお茶まではたどり着けたのだが、トルコといえば独特のデザートが有名なので、デザートまで行ければもっと良かったのに。
帰りは、またタクシーなのだが、運転手の人がアル・カスルを知らない。
ホテルの多いドバイを言えども、アル・カスルはドバイの象徴バージュ・アル・アラブと一体になって開発された、マディナジュメイラ内にあって、かなり有名ホテルなので、知らないというのを想定してなかったのだが、運転手の人も知らないならこちらに聞けばいいのに、別の運転手の人に聞いたりしながら行こうとする。
ある運転手は「知らない」と答えたが、別の運転手が「Uターンするんだ」と言ったので、さあ大変。まだUターンするポイントじゃなかったので、答えた運転手もビックリして走り去りながらクラクション鳴らすし、こっちは「まだまだ!」とか言うし、一瞬大騒ぎだった(先のほうまで行って、Uターンが必要なのは、本当)。
なんとか、直進に戻して、Uターンが必要な交差点まで来てみると、交通事故があったようで、そこから先に自動車が進まない。さっき事故があったばかりでもないようなのに、どうして急に進まなくなったのかはわからないのだが、信号が青になっても、前の車が行かないのでどうしようもなく、ここからだと歩いても帰れる距離だし、タクシーを降りた。
相方は、初日のツアーガイドの人の説明で「あまり高額の紙幣だと、タクシーはお釣りを持っていないし、コイン程度ならお釣りはくれません」と言ってたのを、話半分だけ聞いて、「タクシーはお釣りをくれない」と思い込んでいたらしい。なぜか、今日3回とも、手持ちの紙幣の額を気にしているとは思っていたのだが。
このときも、15ディルハムのところを20ディルハム出して「残り少ない10ディルハム札を使ってしまった」などと言っていた。運転手の人は、もちろん喜んでたし、チップもあげてもいいと思うのでそれ自体はかまわないのだが、まだ50ディルハム札を持っていたというので「それを出せばいいのに」というと「だってお釣りでないんでしょ?」とか言う。
アル・カスルの入り口はゲートがあって、進入する車はタクシーであっても、乗っているのが客かどうか確認する。このときは、なにしろ歩いて入って行こうとするので、ずいぶん怪しい客だし、わざわざボックスから出てきて客かどうか聞いてきた。
しかし、どの程度責任を持たなければいけない業務なのかわからないが、客だと言うとすぐにそうですかと通してくれる。一応、ルームキーのカードを見せたが、別に見せなくても大丈夫だっただろう。しっかりしているのか、いいかげんなのか、わからないセキュリティだ。
帰ってだらだらしてから、すぐに寝た。