さて、いよいよチンクエテッレ。
今回の旅行は、チンクエテッレをメインで考え始めたものの、チンクエテッレに泊まると宿泊に思ったより費用がかかることや、周辺都市からの移動もそれなりに時間がかかること、そしてほかの都市もこの機会に行かないとなかなか行けないことなどから、最終的にチンクエテッレは日帰りになったもの。
前日のジェノヴァ観光をあまり詰め込まずに、体調も整えて、今日に臨むという日程にした。
ジェノヴァからチンクエテッレへは、特急のような列車で4駅、1時間半くらい。特急は、チンクエテッレエリアの西端の町モンテロッソか、そうでなければチンクエテッレエリアを通り過ぎた東側のラ・スペツィアに停まり、今回はモンテロッソに停まる列車。
モンテロッソは、切り立った崖の海岸線の続くチンクエテッレにしては珍しく、砂浜のようなものがあり、小さなリゾート地のようなところ。しかしその砂浜の前にあるモンテロッソ駅と、モンテロッソの町(モンテロッソ・アル・マーレ)は少し離れていて、15分くらい歩く。
当初の予定では、チンクエテッレ内での移動は主に船を使うことで海側からの景色を楽しみ、船の着かないコルニリアのみ列車で行くことにしていた。
ところが、モンテロッソの船の切符売り場に行ってみると、今日は時期的なものか天候のせいか、モンテロッソからチンクエテッレの少し先のポルトヴェネレに直接行く船しかないと書いてある。この段階で、そのうち各町に停まるようになるのか今日はもうこれだけなのか、確認すればよかったのだが、ずいぶん人がいっぱいだったので、もう電車で移動すればいいやということで、モンテロッソの駅へ戻ることにした。
チンクエテッレの町は西側を向いているので、海から撮るのは日が西に回った午後のほうがいいだろうという判断もあった。
しかし、チンクエテッレのモンテロッソの駅というのが、降りたモンテロッソの駅なのか、モンテロッソ・アル・マーレに別の駅があるのかわからず、モンテロッソ・アル・マーレに駅っぽい高架があったこともあって、迷ってしまう。結局、よく考えたらこんな山の迫った場所に駅を二つも作れるはずもないのだが、モンテロッソの駅がチンクエテッレ内のモンテロッソの駅でもあり、戻ればいいだけだった。
そして、モンテロッソの駅に着いたら着いたで、ホームに上がる前のところに券売機が1台しかない。
実は結果的には、この日は船が動かなかったので、おそらくチンクエテッレ内の電車に乗り放題になり、かつ国立公園内エリアへの入場券なども含む、チンクエテッレ・カードを買ってしまえば良かったのだろうが、途中で船が動けば船に乗るかもしれないと思ったので、カードは買わず、都度券売機で乗車券を買うことになった。
ところがこの券売機が、日本の券売機のようにはなっておらず、ステップ・バイ・ステップで、言語、乗車券の種類、乗る列車、人数などを、都度入力していくという面倒なもの。しかも、毎画面で構成が異なり、ボタンの位置やサイズも違うので、観光客はみんな迷いに迷って、すごい時間がかかる。
ぼくらは二人だったので、まだカードを入れて暗証番号を押すところを手分けしたりできて(券売機が大きいのでお金を入れたりするところが画面より体一つ分右のほうにある)ちょっとは早かったのだが、それでも3分くらいはかかるんじゃないだろうか。
ちょうど9月下旬にしては暑い日で、風通しの悪い場所でフーフー言いながら待って、やっと切符を買って、列車に乗った。列車自体は、頻繁に来るので、そんなに待たないし、二階建て車両がわりと来て、みんな眺めのいい二階に行きたがるので、一階は空いていて座れるし、そもそも次の駅まですぐなので、切符以外はあまり問題はなかった。
そうして着いたヴェルナッツァは、チンクエテッレでも一番大きな町で、商店街もあり、ホテルもあり、レストランもあり、そして観光客も多く、大変な賑わい。とりあえず商店街を抜けて海岸のほうへ行ったあと、教会の脇を抜けると山のほうへ登れて見晴らしがいいということだったので、そっちへ行ってみる。
しかし、どうも過去には通れていたらしいところは、一般の家の敷地内だったらしく、今はなんとなく柵がしてある。ということで、もう一つの見晴らしのいい場所へ行くべく、商店街の中にあるという、わかりにくい階段を探すことにした。
幸いこの階段の場所については、ネットに写真を公開してくれていた人がいたので、すぐ見つけることができ、登っていったが、あちこちに次の町である「コルニリア」の表示がなければ、こんなところに入り込んでいいのかと思うくらい、個人宅の玄関先ばかり抜けていく通路と階段だった。
途中からは普通にハイキングコースのようなところになり、そしてその先は国立公園(有料)となっている少し手前に、開けたところがあり、確かにそこからは眺めがよく、みんな集まって写真を撮っていた。びっくりするのは、歩くのもやっとのように見える高齢の人まで、ずいぶん急な斜面を登ってきていること。人は見かけによらないというか、単に太ってるだけで見た目よりも若いのかも。
ところで、この登った場所は、町の東側の山。さっきも書いたように、チンクエテッレの町はほとんどが、海が西南に開けている関係から、湾をはさんで東側の斜面に西側を向いて建物が建っている構造が多く、東側の山の上から見下ろしても、それなりに写真は撮れるものの、やはり西側から東側を撮ったほうがきれいに見える。
そこで、なんとか西側へ回れないものか、Googleマップを見てみると、駅の裏から役所などが建つ通りを抜けると、つづれ折りになった道があり、そこは公道なので、そこから西側の上へ出られそうな雰囲気だった。
そこで、またフーフー言いながら来た道を途中の分岐から駅の裏のほうへ行き、またフーフー言いながらこんどは車でも通れる広い道を登っていくと、予定の半分も行かないうちに、山の上に住んでいる人が便利のために作ったのか、ぶどう畑の間を通る階段状の道があり、そこに「眺めのいい場所へ出る」という趣旨のことが書かれている。
これはありがたいと、登り始めたが、けっこう急な道で大変だった。ただあとで地図を見直してみると、ここを通ったために半分くらいの距離で予定していた場所にたどり着いていて、登って正解だった。
そして着いた場所は、なるほどずいぶん見晴らし良く、海とヴェルナッツァの町が見えて、風も気持ちいい、絶好の場所だった。
もうここで、けっこうやり遂げた感はあったのだが、まだお昼にもなるかならずで、相方はチンクエテッレ全部の町を回る気満々だったので、ヒーヒー言いながらまた坂道を降りて、ヴェルナッツァの町へ戻った。
町でジェラートを食べたり水を買ったりしてから、また列車に乗って、次の町コルニリアへ移動。