ロンドン旅行記2009 第5日(湖水地方)

7月15日(水)

この日は湖水地方の旅。
一度行ってみたいと思っていたのだが、イングランドの北西の隅のほうなので、今回は行けないだろうと思ってたら、なんと列車を使ってロンドン日帰りのツアーがあったので、参加した。ツアーと言っても、列車と現地ツアーの手配をしてくれるだけで、あとは勝手に行くだけ。ユーストン駅

始発駅はユーストン。
パディントンと違って、聞いたことがないので、どんなところかと思っていたが、郊外から市内への乗り継ぎ駅らしく、鉄道会社がいくつも乗り入れていて、駅も大きくてきれいだった。朝ご飯を買う人も多いのか、パンや軽食屋の売店も多くて便利。
この駅で初めて、有料トイレというものに行ってみた。有料だけあって、ずいぶんきれいで(といっても、日本で考えると、やや汚いくらいかも…)広い。料金は30ペンスということで、50円くらいという感じなので、まあ払ってもいいかという程度の値段。ここの手を乾かす機械がダイソンなのが珍しかった。

列車のほうは、指定席なので、そんなに慌てないでも大丈夫。今回はヴァージンだったが、さすがヴァージンというか、今まででいちばんきれいできちんとした列車だった。Wi-Fiも使えるし、ゴミの回収も来る。でも、すごい席が狭いので、みんな窮屈なのか、ファーストクラスのほうが車両数が多いという、変な列車。オクセンホルム駅
でも、ファーストクラスも、2人掛け向かい合わせの4人席だから、変な人と相席になったら、落ち着かないと思う。

とりあえずその列車に揺られること、2時間ちょっとで、湖水地方の玄関口オクセンホルムに到着。
なぜか列車の中のお手洗いのドアが開かなくなっていたので、駅のお手洗いに行こうと思ってたら、現地ツアーの出迎えがお手洗いより前にいて、仕方なくそのままミニバンと小型バスの中間くらいの車に乗った(お手洗いはわりと、行かなくても平気)。
ところが、さすがに日帰りという人は、自分たちともう1組しかおらず、中にはあちこち泊まり歩いている途中らしく、大荷物で参加の人もいた。

ガイドの人は、現地の人らしき中年男性。
明るい人なんだろうけど、仕事はそんなに楽しいとも思ってないみたいで、強いて陽気にしているようなところがあった。ポターの最初の避暑地
バスの中では、日本語のガイドテープが流れるので、だいたい行く先々の概要はわかるようになっている。でも、しょっぱなから所定のコース通りじゃなくて、ガイドの人の判断でコース変更になったりする。
まずは、ウィンダミア湖がきれいに見える場所で、撮影のために降りたあと、ピーター・ラビットの作者ビアトリクス・ポターが最初に湖水地方に避暑にきたときの家を見に行く。最初の撮影でこそ、なんとか曇り空程度だったところ、だんだん雨模様になってきて、この家に来たあたりでは、けっこう大雨。
でも、この家は確かに立ち寄る価値のあるところで、小さな城館のような建物と、きれいな庭があり、さらに木立越しにウィンダミア湖が見える景色もすばらしかった。

次にそのポターが購入して、いまの湖水地方の環境保全のきっかけになった、ヒルトップ農場へ向かう。
ここは、ピーター・ラビット信者の聖地みたいなところで、建物もポターがいた当時のまま保全されている。管理している人たちは、いかにもという感じのナチュラル系というかロハス系というか、そんな感じの人たちで、写真を撮るな、騒ぐな、濡れたものを持ち込むなと、けっこううるさい。
でも、木造の古い建物なので、騒いだり濡れたものを持ち込んだら、維持には影響するだろうし、信者の人は敏感にならざるを得ないだろうというのは理解できる。
幸い、ここに着いた頃から、晴れてきたので、中をぐるっと見て回ると、あとは外で写真を撮ったりする。庭も草花がよく手入れされていて、ヤギなどもいて、農場っぽい雰囲気が維持されている。
でも、ガイドの人は「ここはおみやげとかすごい高いから買うな」と言ってた。確かに、湖水地方人気はピーター・ラビットに支えられているので、ここで絶対買わないと行けないグッズというのは、なかったように思う。

ホークスヘッドの町並みヒルトップ農場のすいている時間を選んだためか、ここですでにお昼をずいぶんすぎていたので、けっこうおなかがすいていたが、次の移動先のホークスヘッドでお昼休みになった。
ホークスヘッドは小さい村だが、観光の休憩にはちょうどいい場所に位置しているのか、ずいぶん広い駐車場があって、車がいっぱい止まっていた。食堂なども、観光客向けにいくつもあり、おみやげ屋さんも何軒かある。でも、うろうろ見て回ったあげく、結局駐車場横のドライブインみたいなところが、いちばん無難そうだったので、そこで食べた。
湖水地方は、トレッキングでも有名なので、その店も靴やウェアなど大量に置いていたのだが、日本と違って靴なども同じような物ばかりで、これをこんなに大量に置いておいてどうするんだろう?という感じだった。
食事のあと、ホークスヘッドを見て回ったが、普通に人の暮らしているエリアにすぐ入ってしまうので、逆に田舎町らしい風情があって良かった。

そこからさらに移動して、こんどは遊覧船に乗る。
湖上を30分ほど移動して、ボウネス・オン・ウィンダミアという、ウィンダミア湖畔ではいちばん大きな町に移動して、解散になる。船に乗る頃にはすっかり晴れていたので、船も気持ちが良かったが、これで雨だったら、寒いし濡れるし、とんでもなかっただろうと思う。
ボウネス・オン・ウィンダミアは湖畔の斜面にある町で、船を下りたらすぐ坂道になってしまうようなところ。でも、この地域の観光の中心なので、人はとても多く、そのせいで白鳥などは人からえさをもらい慣れていて、いいものを食べているので、ずいぶん大きかった。
しょっちゅうもらってるだろうと思うのだが、取り合ってケンカしたりするので、こうなるとただのバカな鳥にしか見えない。
別に、灰色っぽい鳥で、まったくカモメのように見えないのに、声はカモメそっくりに鳴く鳥がいて、こっちのほうがかわいかった。

ワールド・オブ・ベアトリクス・ポター他の人たちは、ここで解散して、今日泊まる宿へ行ったりしてもいいのだが、自分たちは夕方まで少し時間をつぶさないといけないので、ワールド・オブ・ビアトリクス・ポターという、ピーター・ラビット博物館のようなところへ行った。
事前の情報では、ピーター・ラビットの場面をぬいぐるみで再現しているということなので、そんなに期待していなかったのだが、行ってみたらずいぶん良かった。確かに、基本はぬいぐるみの展示なのだが、その展示も細部まで非常に良くできているし、映像や模型など、その他の展示もあったりして、簡単に言うとピーター・ラビット単独のディズニーランドみたいな感じになっていた(プーさんのハニーハントみたいな感じ)。
ここはおみやげ物も充実していて、高い物から安い物まであるし、カフェもあるので、それなりに時間もつぶせて、良かった。

そこを出ると、待ち合わせの時間まで30分くらいだったので、ちょっと中途半端。比較的人出はあると思うのに、なぜかカフェは閉まっていて、ちゃんとした食堂みたいなところに入るほどの時間もないので、そのあたりでウロウロしていた。

鳥捨て場そうこうするうちに、迎えが来て、またオクセンホルムへ戻った。
この駅の裏に丘があって、普通に雑草が生えていたので、ただの空き地だろうと思ったら、なんとそこの茂みの中にヤギが寝ていて、驚いた。
帰りの電車の中で見てみても、ロンドン近郊から離れたところでは、馬、牛などの家畜も非常に多く、このまえのストーンヘンジの行き帰りとは、ちょっと違う感じだった。

ユーストンに着いたら、もう9時半くらいだった。
狭い列車にずっと乗っていたので、体も固まってしまって、すっかり疲れたので、いまからレストランなどに行く気力もなかった。ユーストンのパン屋さんなどは、まだ開いていたのだが、食べ物をもって地下鉄に乗るのもどうかと思ったので、ホテルの近くのボンドストリートの駅もけっこう繁華街だったので、ここで買うことにした。
ところが、ボンドストリートの駅の駅ビルみたいなところは、もう閉まっていて、さあどうしようと思ったら、向いのサブウェイは明かりがついている。閉めようとしているのかと思ってのぞきこんだら、手招きされたので、無事に買うことができた。
でも、サブウェイは日本でも、何にする何にすると、いろいろ言う必要があって面倒なのに、イギリスで入るべきお店ではないなぁと思ってしまった。特に、食べ物の名称とか、オーダーとか、ふだん使わない英語なので、なんだか短いやりとりで、逆に難しいのだ。
でも、ドリンクとか、普通のサイズでもけっこうたっぷりだったので、うれしかった。

そういうわけで、サブウェイの包みをもって、ホテルへ帰ったのだが、ちょうど夜も更けて、いかにもクラリッジらしく、きらびやかな正装の人などが食事を終えて買える時間帯に、こんなもの持って入っていくのは、それなりに肩身が狭かった。


Author: talo

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